書名: 『テオドールから地球へ――地球は第4密度へ移行する―― cover

書誌:
原題  The Extraterrestrial Vision: Channeled Teaching from Theodore (c)1994
発信  テオドール(原因と結果の中間地点にいる存在)
著者  ジーナ・レイク
訳者  中村留美子
発行  株式会社 たま出版(1995年12月25日初版発行)
私評:
 本書はこれまで私が読んだ中で最も“客観的”な感じを与える地球関連宇宙史だったような気がする。
 そもそも、誰かの“思考”がある位相の“現実”とも言えそうなこの宇宙の中で“客観的”などということがありうるものかどうか……、などと言い出せば何も言えなくなるのだが、そこは単純に“客観的”という言葉はここでは単にある種の“バランス感覚”を指示しているものとしよう。そしてその“バランス感覚”は、むろん、現在の地球人類(その中でも特に私)から見ての話だ、と前提させていただいてだが。
 その意味で、ミッド・コーザル界(原因と結果の中間地点)の存在であるというテオドールが伝えてくれる情報は、私たち地球人にとって色々な意味で“中間的”なバランスを感じさせてくれる。
 中でも面白かったことのひとつに、テオドールが解説してくれる「プレアデス人」の位置があった。
 「他の同レベルの社会と比べるとプレアデス人の社会では、科学や技術はわずかにしか進歩していません。プレアデス人のほとんどはこうしたことを気にかけません。彼らのほとんどは、技術的な進歩よりも社会の厚生に重きをおく社会を望ましく思っているのです」
 そしてテオドールは、プレアデス人が陰極生のほとんどを排除したために人格的・霊的成長を鼓舞する多くの要素を排除する結果になり、彼らの社会は霊的に発展しているように見えても、発展の度合いはそれほどでもない、と指摘する。
 「自由社会につきものの、未知への挑戦を回避することで、彼らは自らの霊的な成長をおさえつけているのです」と。
 ここを読んで私は思わず、自分がなぜか何度も読んでしまうポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの『星からの帰還』の地球を思い出してしまった。
 テオドールはあくまでも、自分の選択には自分で責任を持ちなさい、と告げているようだ。
引用:
 地球外生命体達は完璧な存在ではありません。彼らは必ずしも、何があなた方にとって良いことであるかを、理解しているとは限りません。あなた方にとって何が最上であるかは、あなた方自身が決めることであり、何があなた方にとって正しいかを知るのは、あなた方が自己の奥深くまで感じることによって可能となることです。彼らがあなた方に与える助言やメッセージのうち、あなた方の内部の奥深いレベルに訴えかけ、共鳴を与えることのないものは、うかつに受け入れないように注意してください。あなた方が地球外生命体の助言を鵜呑みにしないように注意することは、自己奉仕者達があなた方を混乱させ、支配しようとするのを防ぐのに重要なだけでなく、あなた方が今学ぶことを必要としている教訓が、いかなる主導権をも他者に委ねるものではない、という内容であるからこそ重要なのです。(p38-39)
好み:★★★
(注:独断と偏見によるお薦め度、または記憶による感動度・ショック度。一押し、二押し、三押し、特薦。)

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